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2015/06/08

『就活を考える005』 成城大学 金春姫 准教授

~一歩先を行くための留学に~
私は学生に、海外旅行や留学に行くことを勧めている。留学に行くことで言語を習得できることはもちろんだが、それ以上にたくさんの人や文化に触れ合う機会を持ってほしいのだ。海外とのコミュニケーションは理屈だけではできない。留学という経験から得られる共感する力は人として大きく成長させてくれる。
そしてまた“日本”を外側から見ることで、日本の良さ、日本人らしさを改めて知ってほしいのだ。
客観的に物事を捉えることが必要なのだ。

留学と言えば、欧米や欧州を思い浮かべる人が多い。確かに、英語などそこから学び得られることは多い。しかし、受動的に学び取るだけの留学で終わらせてしまっていないだろうか。

私のゼミ生にはアジアへの留学を勧めている。
アジアにおいて、日本の需要が高まっていることは言うまでもない。しかし、日本はアジアについて積極的に知ろうとする人たちが少ないように感じられる。
これからは、欧米だけでなくアジアからも、日本がどのように見られているかを考えていく必要がある。
だからこそアジアへの留学を勧めるのだ。

~発信することの大切さ~
皆さんは、中国や韓国といったアジアからの訪日客を見て、どのように感じているだろうか。
「最近、観光客がどんどん増えているな」
「たくさん買い物して経済的に豊かなになったのだな」
このように感じる方が多いのではないだろうか。そして、多くの方はここまでで終わってしまう。
しかし、ここからもう一歩踏み込んで考えてみてほしいのだ。
訪日客が求めるものをただ提供する受け身の姿勢ではなく、どのようなものを提供したら喜ばれるのか、新しい価値を生み出すことができるのか。彼らのニーズやアジア市場を先読みし、戦略を持って考えることが必要なのだ。
そして、さらに日本の良さを積極的に発信していくことこそ重要なのだ。


“発信すること”の大切さについては、これに限ったことではない。これから社会にでる学生やすでに働いている社会人などすべての人に今後、必要とされることだと思う。

最近の学生はコミュニケーション力は上がっていると思う。それにプラスして、先読みし、戦略的に考え、そして発信するという思考回路を大学4年間を通じてぜひ学び得て社会に出てほしい。

~ハッピーエンドの就活に~
学生にとって“就活”というものがプレッシャーになっているのではないだろうか。
“働く”ことについて、熱意をもって頑張る!という意気込みのある学生はあまり多くないように感じる。
責任を負うことを敬遠し、管理職になりたくないという学生もいる。
また留学を望む学生に対して「まずは就職しなさい!」と断ち切ってしまう親も多いと聞く。
(一部の大学では、留学を必修にしているという。素晴らしい取り組みだと思う)

大切な場面、就活であれば面接時に、自分を誇張して表現してしまうことは誰しも経験がある。
その点においては企業の方にはもう少し寛容的な対応を学生にして頂けたらと思う。
面接という場でも過度のプレッシャーを感じずに、自分らしさ、企業らしさをお互いに表現することができたら、時間のロスも減り、お互いにハッピーな気持ちで就活を終えることができるのではないだろうか。

最後になってしまうが、日本は高度な技術と最先端の研究開発をし、素晴らしいものを生み出す、モノ作りの国である。
今の学生達は個々人の価値観が多様化し、素晴らしい個性を持っている。それは日本という豊かな環境により培われたものであると思う。そこに自信を持って積極的に発信していってほしい。
今後ひとりひとりがモノゴトを先読みし戦略を持って自分の考えや、日本人らしさ、日本の良さを発信していくことで、個人的にも社会的にもより大きな広がりを持つことができるのだ。

◆金春姫准教授 プロフィール◆
北京大学卒業後、2007年一橋大学大学院博士課程修了。2008年より成城大学准専任講師、2011年より准教授。
グローバル市場における消費者行動、地域マーケティングをテーマに、東アジア地域における消費者行動について多方面から研究を続けている、また日本国内の地域活性化のためのマーケティング戦略についても考察を進めている。
相手が気付いていないモノを見つけて喜ばせるのがマーケティングの本質であることを発信している。

◆編集後記◆
金先生へのインタビューの中で親にダメと言われて、留学を諦めてしまう学生がいるというお話がありました。
これからの将来、大変な事やツライことは絶対にあると思います。しかし本人が決断したことであれば、そこに後悔は生まれないと思います。
だからこそ、親は子供にとって最高の理解者であり、背中を押してあげられる存在でいなくてはいけないと思います。その存在がなければ、子が親と違う世界を見ることは一生できません。

常にフラットな状態で物事を受け取り、そしてそれに対して自分が疑問に思うことを、積極的に他者に聞いていくことでより意味のあるコミュニケーションになるのではないかと思います。
そこには年齢や立場は関係なく、人として高みを目指す人にとって、大事なことのひとつなのではないでしょうか。

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