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2015/03/23

『就活を考える002』 横浜市立大学 山藤竜太郎 准教授

~就活後ろ倒しを逆手にとる~
 就活に対して意識の高い一部の学生は、今年の就活後ろ倒しを逆手にとっている。
彼(女)らは、今年多くの企業が実施している冬のインターンシップに加え、例年通り夏のインターンシップにも参加している。学生たちにとっては企業を知ることができる時間、期間が増えたのだ。とは言っても、やはり大部分の学生は3月に就活をスタートさせているのが現実だ。
 学生は企業を選ぶ際、どうしても自分の生活の中で接点があったり、自分の好きな事、興味のある事に目が向く。働く自分をイメージするには大切な要素である。しかし、就職した後、会社に自分がどういった貢献ができるかを同時に考えていく必要があると思う。そのうえでインターンシップに望むこととして、本当の仕事の一部でも味わえるような内容や、何らかの成果を求められるような内容を実施してもらえると、学生も満足感を味わうことができ、働く姿をイメージしやすくなるだろうと思う。
また学生にはインターンシップに行くか行かないか迷った時にはまずは行ってみることを勧めている。企業のリアルに触れる機会はとても良い経験になるはずだ。

~将来に向かって笑顔でスタート~
 就活スタート時、学生たちは社会に羽ばたく自分を想像して、ワクワクしやる気に溢れている。
ところが内定式が終わるとともに企業とのコミュニケーションが希薄になってしまい入社式までに学生のモチベーションが下がってしまっているような印象を受ける。
企業にお願いしたことのひとつに、内定式から入社式の間の学生のフォローがある。就活時には接することができなかった部署の方々との交流会や勉強会を定期的に開催して頂き、学生の士気を保ち続けられるような持続的なフォローを行って頂けたらと思っている。
 また学生が就職先を決める大きなポイントの一つがヒトとのつながりや、企業の雰囲気である。検討していない業界であってもヒト、企業の雰囲気で決める学生も少なくない。
今の学生は横のつながりをとても大事にしている。就活の際、コミュニケーション能力を求められることが多くなったが、私自身、今の学生達のコミュニケーション能力が下がったとは全く感じていない。むしろ同世代での関係作りは昔よりも上手になったと感じている。
そこには現在だからこそのLINEなどのSNSのカルチャーが大きく影響している。
企業が今の学生に対してコミュニケーション能力が下がったと感じるのは目上の方達と接するのに慣れていないせいかもしれない。この点については、学生、大学とも考える必要があると感じている。
 学生目線で考えたとき、企業説明会や新人研修など、彼らの世代に近い方々が対応してくれると学生たちの心にはより響くのではないかと思う。

~胸をはって伝えらえる好きなことに出会ってほしい~
 大学生の特権である自由な時間を思う存分使って好きなことをしてほしいと思う。
趣味、部活、サークルなどでもいいと思うし、留学や旅行でもいいと思う。自分が情熱を捧げられることであれば何でもいいと思う。
私はこれが好きなんだ!と人に語れるような何かを積み上げてほしいと思う。このような要素を築き上げることは、自信にもつながる。自信は就活の自己PRにもつながるし、また話し方や考え方も前向きになってくる。
 迷う時や悩む時があれば視野を広げてみてほしい。角度を変えて見てほしい。
働くことも大切なことだが、“就活”だけがすべてではないとうことを学生に伝えたい。

↑山藤先生の共著「震災復興と地域産業6:復興を支えるNPO、社会企業家」


◆山藤竜太郎先生のプロフィール◆
一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院 商学研究科 博士後期課程修了。2009年より横浜市立大学国際総合科学群 准教授。現在、神奈川大学 経済学部 非常勤講師、法政大学 現代福祉学部 兼任講師を兼任している。
華僑・華人と言われる人々の国境を越えたビジネスに関心があり、特に外国企業で働く中国系の人々について研究を始めた。そうした研究の中で、人材の社内育成にこだわる日本企業と、契約に基づいて外部人材を活用するイギリス企業など、華僑・華人を雇用する側の企業の行動原理の違いについても研究するようになった。

◆編集後記◆
先日合同説明会を見る機会がありました。学生は皆同じ装いをして、会場内を歩き回り企業の説明に“うんうん”と耳を傾けている光景をみて率直に異様だなと感じました。
それはきっと学生達からワクワクしたものが感じられなかったからだと思います。学生も企業も“就活”にゴールをおいているような印象を受けますが、自分の人生にとって幸せな道を選択し、進んでほしいと感じます。山藤先生もおしゃっておりましたが、就活がすべてではありません。大学生活の最終が就活でもありません。自分の行きたい仕事につけないことだってあると思いますが、そこで経験できることはすべて自分のモノにしてほしいと思います。それは人生において大きな糧になります。そして好きな事をして前に進んでいればまた自分なりの道が開けていくのではと思います。

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